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[最終話] ありがとう。留学生活を総括する

 帰国してから5日ほどが経過、徐々に日本の満員電車にも、食事の美味しさにも、日本語で全てが完結する環境にも馴染んできました。Evanstonでの2年間の暮らしはハッキリと僕の中で生き続けながらも、まるで夢物語だったかのように、愛おしく、懐かしくも感じます。

 さて、名残惜しい気持ちにはなりつつも、このブログは今日の投稿でおしまいにしたいと思います。今日は最後にふさわしく、留学生活の総括をさせてください。

1) キャリア
 僕の場合、キャリアという意味では、派遣元の会社に戻ることもあり、『MBAだから』という直接的なアドバンテージは無いと思う。これから配属されるであろう部署も、仮に社費留学生に選抜されていなかったとしても行けたと思うし、金銭的な意味、FinanceのExpertiseという意味では、ひょっとしたら回り道をしていたかもしれません。また、社内には『2年間+α遊んで帰ってきた』って思ってる人も少なからずいます。でも、僕のキャリアにおいてマイナスになったなんて1mmも思ってないし、計り知れないプラスがあったと思っています。
 Top MBAがキャリアにおけるフリー・パスではないことは言わずもがなですが、でも、どんな職種・業種でどんな奴ら(マインド・スキルセットを含めて)が働いているのかな、というのを知れたことは大きいです。自分がやれそうなこと、また、とてもやれなそうなこと、もちろんホントのところなんてやってみなきゃわかんないけど、これが少しだけ客観的に見られるようになったと思う。
 そして、同級生だけでなく、Kelloggの先輩方がそれぞれの形で各自の成功の形を追い求めている姿を見て、自分なりの成功の形、自分がこうありたいと思う姿をイメージできるようになってきたこと、これはホントに大きな収穫。二年間キャリアを止めたのは、ある種自分と向き合う時間を確保するため。だからこそ、自分について知り、自分なりの成功の形を追い求められたことは、ある意味MBAに来なきゃできなかったこと。

2) アカデミック
 『勉強だけなら教科書で1人でもできる』っていう人が結構います。でも、これは『ホントに勤勉でホントに勉強する0.1%の人』か、『って言ってるだけで、ホントは1人じゃ勉強しないのにMBAでのアカデミックを否定したい99.9%の人』のどちらかのような気がしています。
 最高の教授陣と最高に賢くて、いい奴らで、色んな経験をしてきた仲間たち。これ以上の学びの環境がどこにあるんだ、って話です。僕自身は学部時代にあまり勉強をしてこなかった後悔から、今回の留学生活を学びという意味でも充実したものにしたいと心から願っていました。実際のところ、日本語で学ぶより時間もかかったし上手くいかないこともあった。けど、自分がアウェイの環境で、自分のパフォーマンスを少しでも良くできるよう、精一杯頑張り続けた経験になったと思う。結果、アカデミックを通じても数多くの友達と信頼関係を築き、顔を合わせるたびに長話をし、これからも一生付き合いたいと思う仲間を作ることができました。
 学びたい分野の授業がとんでもないラインアップで揃い、教授にアクセスすればいつでもディスカッションに応じてくれる毎日。そして素晴らしい同級生達とグループワークやら授業内でのディスカッションでトコトン話し合い、自分達の理解を深め続ける。知的な刺激をビンビンと感じ続け、『学んでる』って感覚を抱き続けることができた二年間でした。『勉強って楽しい!!!!』って感覚、本当に久しぶりに感じることができました。 思うに、大事なのは知識がキャリアに直結するかしないかではなくって、シッカリ自分で考え、結論を出すというトレーニングを積み続けたかどうか。こんな刺激的な環境にいれば、自分の頭をフル回転させることが相当な頻度で訪れます。これが今後のキャリアでも生きてくるんじゃないかな、って思うんです。
 個人的にはやり切ったと思えるアカデミック。最後まで気を抜かず、無事成績優秀者として卒業することもできました。ただ、これ自体がゴールじゃないことは誰もが知っていて、こっから始まるキャリアの第二章において、武器とし、糧としていかなきゃいけないものなんですよね。

3) 友達
 個人的には一番の収穫。アカデミックで、飲み会で、一緒にやった課外活動で、Kelloggではとんでもない数の友達と触れ合う機会に恵まれました。英語がヘタクソで困ってる中で励まし続けてくれた奴ら、アカデミックで一緒にワークして、お互いを尊敬し合える中になった奴ら、将来の夢をただただとんでもない長時間語り合った奴ら、一緒にイベントを企画する中で、時にぶつかり合いながら一緒に前に進む続けた奴ら、いつも一緒に飲むたびに僕を幸せな気分にさせてくれる奴ら...。
 目を閉じればいつでも会いたいKelloggの友達たちの顔が浮かんできます。日本人・アジア人はモチロン、アメリカや南米、ヨーロッパの奴らなど、大事な友達が世界各地にできた。一度仕事を始めてしまうと利害関係の全く無い友達を作る機会は激減してしまうけど、また30歳にして、こういう『ただただ会いたくなる友達』が沢山できたこと。とてつもなく幸せなことだと思う。僕はこれをビジネスでレバレッジしようなんて微塵も思ってなくって、ただただ大事な友達がいること。これが僕を幸せにしているんだと思う。

 書こうと思ったことを全部書き切れたわけじゃないけど、これが僕なりのMBAの意義。モチロン英語は上手くなったし、その他に『こんなハードスキルが身に付いた』とかもあるんだけど、そんなことよりも大事なことが一杯あるんです。もちろん、MBAが万人にとっての処方箋になるとは思ってないんですが、でも、MBA、もっと言えばKelloggは、ホントに多くの人にとって、『最高の仲間達と一緒に、自分をストレッチし続けられる最高に刺激的な環境』になると思うんです。だから、今MBAを目指して頑張っている人は、最高の2年間を夢見て歯を食いしばって欲しい。そして、この素晴らしい経験を1人でも多くの日本人に味わって欲しいと願って止みません。

 これから僕は、再びビジネスマンとして、Kelloggというこの素晴らしい環境で2年間を過ごしたという経験を社会に還元していかなきゃいけません。自分が働くことで、少しでも社会が良くなるように、また、少しでも周りの人を幸せにできるようなビジネスマンになっていければと思います。

 ということで、二年間の留学記もこれで終わり。ではまた!!!!
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2012年6月25日
次男坊
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by Jinan-bou | 2012-06-25 14:42 | Kelloggライフ全般