今学期のお気に入りの授業

 だったM&Aの授業が先ほど終了。最後の授業では、教授が思い思いのメッセージを学生に伝えることが多い。この授業もその一つ。

 この授業はFinancial Planning for M&Aという授業で、名前の通りM&Aを扱い、ストラクチャリング、会計、税制、バリュエーション、シナジーの算定といったことを学ぶ、基本的にはスプレッドシートをはじく授業。でも、最後の言葉は驚くほどウェットで、かつ愛情に満ちていて、心にグッとささった。

 この教授は社会主義時代のポーランドの出身で、時々の様々な思惑や闘争に翻弄された幼少時代をすごしたんだそう。そんな時代のなか、あるとき彼のお父さんがチェコで買ってきたボールペンをみんなに配ったんだとか、もちろん見返りなんて求めることなく。その後国内の動乱が起き、彼らが大半の資産を清算し国外退避しようとした際、政府の人間が彼らのビザを目の前で引きちぎった。そして数日後、絶望に家族全員が打ちひしがれるなか、ビザの担当者から一本の電話があった。なんと、別途彼らのために緊急でビザを用意してくれたとのこと。そう、その担当者はかつてお父さんがチェコで買ってきたボールペンを貰った、近所の人だった。

 彼の最後のメッセージは、『彼が授業で教えてきたことはモチロン物凄く重要。でも、ROIなんてものは、授業で教えられない例えば優しさだったり、思いやりっていうその他の要素で大きく変化する。一本のボールペンが僕たちに『自由』をもたらしたようにね。そして、それをスプレッドシートで弾き出すなんて絶対にできやしないよ。』ってものだった。

 この授業がずっと終わって欲しくないってみんなが思ってるんじゃないか、というくらい、拍手はずっと鳴り止むことはなかった。
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by Jinan-bou | 2011-12-03 04:58 | MBA授業